石毛直道
自選著作集
全11巻+別巻1
『石毛直道自選著作集』
■体 裁  A5判・上製・カバー装
  本文:13級・縦組み 注・文献:12級 表組み等:11級 平均420頁
■価 格  第T期(第1〜6巻):42,000円(税別)
  第U期(第7〜11巻):35,000円(税別)
  *T期・U期はセット販売です(分売不可)
  別巻:8,000円(税別)

『石毛直道自選著作集』《内容構成》/『本著作集の特色』刊行のことば
石毛直道プロフィール推薦のことば『石毛直道自選著作集』を推薦します


◆『石毛直道自選著作集』 《内容構成》 ◆
第T期 1〜6巻 価 格/42,000円(税別)

第1巻
世界の食文化探検
第2巻
食文化研究の視野
第3巻
麺・乳・豆・茶とコーヒー
第1巻 第2巻 第3巻
第4巻
魚の発酵食品と酒
第5巻
食事と文明
第6巻
日本の食
第4巻 第5巻 第6巻
     
     
第U期 7〜11巻 価 格/35,000円(税別)

第7巻
探検とフィールドワークT
オセアニア
第8巻
探検とフィールドワークU
アフリカ
第9巻
環境論・住居論
第7巻 第8巻 第9巻
第10巻
日本文化論・民間信仰論
第11巻
生活学
第10巻

第11巻


別巻(第12巻) 年譜・人生・全巻索引 著作目録C 価 格/8,000円(税別)
別巻 著作目録の付録CD
付録CD
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◆ 本著作集の特色 ◆
「まるごと石毛直道」の編集!
■ 2010年11月現在、約2800点に達した石毛直道の著作物のなかから、
     著者自らが収録する作品を選択し、
主題別に12巻(11巻+別巻)に編成しました。
■ 各巻には、全体解説、および主題別の分類と、
それを構成する作品の執筆経緯や書誌的事項など、
著者自身が書きおろしました。

入手困難な著作が読める!
■ 1960年代からの、単行本化されていない雑誌掲載のものや
報告書収録の著作など、現在入手しがたい作品を多数収録しました。
■ 未刊行の博士論文「魚介類の発酵製品に関する研究」を
全文収録しました(第4巻)。
魅力満載の別巻!
■ 全巻索引はもちろん、著者年譜、自伝的エッセイなど、
他の巻とはちがった著者の人となりがうかがえるものを収録しました。
■ さらに別巻は、付録として著作目録のCD付きです。
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◆ 刊行のことば ◆
石毛直道
二年前のことである。「おまえも七〇歳を過ぎたのだから、著作集を刊行することを考えろ」と親しい友人にいわれた。そのときには、「まだ、はやすぎる」と答えた。著作集つくりは、あたらしい作品を執筆することが困難になった老後の仕事にとっておくものだ、と思っていたからである。
 著作集つくりは回想をともなう作業である。追憶の世界に浸る時間は生産性にとぼしい。過去をふりかえるよりも、現在おもしろいことへの挑戦に時間をつかうべきだと考えたのである。
 だが、頭の片隅に著作集つくりという命題がこびりつき、しだいに考えが変わってきた。自分の仕事を自分でまとめて残すのは、研究者としての義務であろう、と思いはじめたのである。
 えらい学者といわれるような人びとの著作集には、晩年になって、また没後になってから、友人や門弟たちが編集委員会を組織して編纂したものがおおい。他人がまとめてくれた、そのような刊行物を、もし、ご当人が読んだと仮定したとき、できばえに満足してもらえるだろうか。ひとまかせの著作集がつくられるよりも、元気なうちに、自分の仕事は自分が責任をもってまとめておくべきであろう。
 ということで、おもいきって著作集を刊行することにしたのである。編集委員会はもうけず、収録作品は自分で選択し、解説も自分で執筆することにした。
 二〇一〇年一一月現在、わたしのコンピューターの著作目録には約二八〇〇件の作品が入力されている。これを主題別にまとめて、全一二巻に編成するのはむつかしい作業であった。
 本著作集に収録する著作の選択にあたっては、外国語で発表された著作物や、共著、対談、座談会で発表された作品は除外し、自著のものだけを収録することにした。また、現在入手が困難な古い作品をなるべく収録するようこころがけた。
 わたしは食文化の専門家とされているようである。しかし、この道一筋とさだめて、ひとつの目標の究明に生涯をささげるような生き方は、わたしの柄ではない。その時どきに「おもろい」と思った事柄を楽しむ、「遊び人」の研究者である。そこで、食文化以外のおおくの分野における著作もおおい。
 そこで本著作数の第T期配本は食文化関係の著作、第U期配本は探検、環境論、住居論、生活学関係の著作にあてることとした。
 それでも、たとえば博物館学など、わたしが関係した分野で、本著作集から欠落している事柄もある。また、愛着がある著作物だが、ここには再録しなかったものもおおい。将来、そのような作品を再刊する機会があることを願うしだいである。
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◆ 石毛直道プロフィール ◆
ishige
1937年11月、千葉県生まれ。
1945年3月、実家が空襲で焼失。8月15日、7歳で敗戦を迎える。
1950年、中学入学の頃から考古学に興味をもち、千葉県北部の遺跡巡りをはじめ、都立上野高校入学頃には、考古学・文学かぶれの少年だった。
1958年、二浪して京都大学文学部に入学、学生クラブ探検部入部。
1960年6〜11月、京都大学探検部トンガ王国調査隊に参加。
1963年、大学院進学(考古学専攻)。8月〜64年4月、京都大学西イリアン学術探検隊に参加。
1965年11月、大学院を中退し京都大学人文科学研究所助手に。梅棹忠夫助教授主宰の社会人類学部門に所属(27歳)。
1966年7月〜67年3月、日本学術振興会アフリカ現地駐在員としてタンザニアを主にフィールドワーク。
1967年12月〜68年3月、京都大学大サハラ学術探検隊に参加、リビア砂漠のオアシスでフィールドワーク。
1968年10月結婚。11月〜69年3月、日本万国博覧会世界民族資料収集団に参加、仮面と神像を収集。
1969年8月、初の著書『食生活を探検する』出版。
1971年4月、甲南大学文学部講師(33歳)。
1972年7〜8月、カロリン諸島調査へ。
1973年4月、甲南大学文学部助教授(35歳)。日本民族学振興会「第7回渋沢賞」受賞。
1974年4月、国立民族学博物館助教授に就任(36歳)、翌75年10〜12月、同館タイ・オセアニア展示資料収集へ。
1976年8月〜12月、国立民族学博物館ハルマヘラ調査隊の隊長として現地調査。
1980年3〜5月、東南アジア食文化調査、8〜9月、韓国食文化調査、10〜11月、中国食文化調査、11〜12月、ロスアンジェルス日本料理店調査。
1983〜85年にかけて、断続的に魚醤とナレズシ調査。
1985年3月、中国における成人T細胞白血病の民族疫学調査に参加(87年5月も)。11〜12月、韓国食文化調査。
1986年7月、国立民族学博物館教授(48歳)。8月、韓国食文化調査旅行。11月、東京農業大学より農学博士号授与。
1987年8〜9月、コーカサスの食文化調査旅行。
1989年1月、中国における都市調査旅行に参加(90年3月にはメキシコ調査へ)。7〜8月、韓国食文化調査旅行。
1990年4月、総合研究開発機構主催「文化首都の研究」現地調査に参加。4〜5月は中央アジア、8〜9月はチベット文化圏と東南アジア、11〜12月はイタリアでともに麺類調査。
1993年12月〜94年1月、インド・タイへの共同調査。
1995年4〜5月、総合研究開発機構主催「中国における民族問題」、10月「地域研究機関」現地調査に参加。
1996年7〜8月、モンゴル国、中国内蒙古自治区で乳製品調査。12月〜97年1月、インド・ナガランド共同調査。
1997年4月、国立民族学博物館長となる(59歳)。
1999年10月、日本生活学会より「第25回今和次郎賞」受賞。大阪市民表彰。
2003年3月、国立民族学博物館長を退官。4月、国立民族学博物館名誉教授(65歳)。9月、福井県小浜市「御食国若狭おばま食文化館」開館とともに同館名誉館長。11月、大阪文化賞受賞。
2007年3月、ニューヨークの日本料理店調査。
*活動としては、おもな海外調査を記載しました。

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◆ 推薦のことば ◆

食いしん坊仲間 小松左京

作家
石毛直道さんとは、故・梅棹忠夫氏直系の文化人類学者として、七〇年万博以前からのおつきあいだ。私より六歳も若いのに、大人の風格がすでにあり、尊敬していた。
 石毛さんは特に食の人類学の専門家になられたが、私自身も食いしん坊で、海外旅行の楽しみは、旅客機の中のエア・ランチだった。酒も食も強い石毛さんと知り合ってからは、ともに飲み食いしながらの談論風発を楽しみ、シンポジウム(饗宴)を深めてきた。我が家に高いシェフ帽を被って訪れ、捕れたての狸を料理してくれた事もある。ちなみに彼の銘「大食軒酩酊」は、私の命名である。
『自選著作集』では、石毛さんらしいフィールドに基づいた学問の成果と、剛胆かつ繊細な人間的魅力がともに味わえることだろう。食いしん坊には、見逃せないメニューだ。
 

人類学者石毛直道さんの全貌 熊倉功夫

静岡文化芸術大学学長 林原美術館館長
石毛直道さんの著作集がいよいよ出版されるという。待望の企画である。  食文化研究のパイオニアとしての石毛さんはだれでも知っているが、その背景にある、住居空間からレトロウイルスまで、トンガからアフリカまで、人類学のあらゆる分野に研究の触手をのばしてきた文化人類学者石毛直道の全貌が、今回の著作集で明らかにされることがありがたい。  国立民族学博物館三代目館長として日本の人類学界をリードしてきた奮闘ぶりを同僚の目でみてきた。その精力的な研究を支えるフィールド調査の実体験(何でも食べてみる)と文献の確かな知識が両々相俟ってのバランスのよさ、正確な記憶力と論理の明快さは、会うたびに驚かされる。それがなくては、これだけの大著作はできるはずがない。
 
食に関わるすべての分野に必読 江原絢子
東京家政学院大学名誉教授 日本家政学会食文化研究部会部会長
著者による食文化の定義は、多くの著作物に必ず引用される程定着している。それは、著者が食文化研究の先駆者であり、膨大な研究蓄積があることによる。麺、乳の文化、発酵食品、飲料の文化など個別の食文化から比較食文化、食事の文明論に至るまで実に幅広い論攷は、現地調査に裏付けられた説得力を持って私たちを強く魅了する。  
 調理に関する著作を改めて読んでみると、以前は気づかなかった新たな課題を発見でき、調理学、栄養学、食育などの分野にも著者の広い視野に立った食文化の視点が必要なことを実感する。スケールの大きな数々の著作には、経験者だから見えている課題が盛り込まれているが、何より読んで楽しく、やる気を起こさせてくれる。
 
旅と食の師、石毛直道
森枝卓士 フォトジャーナリスト
ふつうの海外旅行でさえ、夢だった頃。海外に行けるのは兼高かおるさんだけだと思っていた頃。若き石毛直道はトンガやアフリカを旅していた。調査という名の冒険の旅。
 海外や冒険、探検を夢見るだけだった、当時の学生、つまり、私たちの世代は、その結実を見て憧れたものだった。いつか、自分たちもそのような旅をしたいと。
 たくさんの水が橋の下を流れた。私たちもそれなりに年をとった。海外も当たり前になった。が、情報や価値観の渦の中で、視点を見失う。そんなときに、「たとえば、食という視点」からものを見ること、考えることを教えてくれた人がいた。
 その石毛先生の集大成。私たちの共有する財産である。読み返すことから、未来も考えたい。
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◆『石毛直道自選著作集』を推薦します ◆

井上忠司(文化心理学者)/奥村彪生(伝承料理研究家)/川田順造(神奈川大学特別招聘教授;人類学)/神崎宣武(民俗学者・旅の文化研究所所長)/熊谷真菜(日本コナモン協会会長)/クライナー、ヨーゼフ(ボン大学名誉教授)/小泉武夫(東京農業大学名誉教授)/小長谷有紀(国立民族学博物館教授)/小山修三(吹田市立博物館館長)/島田淳子(お茶の水大学名誉教授・昭和女子大学特任教授)/下村道子(大妻女子大学名誉教授)/高田公理(佛教大学教授)/程一彦(料理研究家)/原田信男(国士舘大学21世紀アジア学部教授)/伏木亨(京都大学農学研究科教授)/本多勝一(ジャーナリスト・『週刊金曜日』編集委員)/松原正毅(坂の上の雲ミュージアム館長)/丸井英二(順天堂大学教授)/山口昌伴(道具学会会長) (50音順)

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